秋の実りが待ち遠しい。実物盆栽のアイドル「姫リンゴ」を確実に実らせるコツ

姫リンゴ お手入れ

※本記事はプロモーションが含まれています

盆栽の楽しみは、緑の葉や幹の形だけではありません。 「実がなる」という喜びは、何物にも代えがたい達成感があります。

その実物(みもの)盆栽の中で、最もポピュラーで、かつ最高に可愛いのが「姫リンゴ」です。 サクランボのような小ささながら、形は立派なリンゴそのもの。 秋になり、緑色の実がだんだんと赤く色づいていく様子を毎日眺めるのは、至福の時間です。

「でも、果樹って育てるのが難しそう…」 そう思う方もいるかもしれませんが、姫リンゴは非常に丈夫で、ポイントさえ押さえれば毎年実をつけてくれます。 今回は、可愛いリンゴをたくさん実らせるための最大の秘訣、「受粉」と「水切れ対策」について徹底解説します。

姫リンゴとは? 食べるリンゴとの違い

姫リンゴは、バラ科リンゴ属の落葉樹です。 スーパーで売っている「ふじ」や「つがる」といった食用リンゴの仲間ですが、実のサイズは直径2〜3cm程度と極小です。

  • 春(4月頃): 白や薄ピンクの可愛らしい花が満開になります。蕾(つぼみ)の時は濃いピンク色で、開くと白くなるグラデーションが絶妙です。
  • 秋(10月頃): 実が赤く熟します。

【食べられるの?】 気になるところですが、味は「酸っぱくて渋い」です。 毒ではないので食べられますが、生食には向きません。鑑賞して楽しんだ後、果実酒やジャムに加工して楽しむ方もいらっしゃいます。

最大の難関:「受粉(じゅふん)」を攻略せよ!

姫リンゴを育てる上で、これだけは絶対に知っておかなければならない事実があります。 それは、「自分の花粉だけでは実がならない(自家不和合性)」という性質です。

姫リンゴの木が一本だけあっても、どれだけ花が咲いても、そのままでは受粉せず、実ができずに落ちてしまいます。 実を成らせるためには、「違う品種のリンゴの花粉」が必要です。

必須パートナー:深山海棠(ミヤマカイドウ)

姫リンゴの「お婿さん(花粉親)」として最も相性が良いのが、「深山海棠(ミヤマカイドウ)」という木です。 盆栽園で姫リンゴを買う時は、必ずこのカイドウもセットで手に入れる(または近くに置く)ことを強くおすすめします。

【人工授粉のやり方】 虫が運んでくれることもありますが、確実なのは人間が手伝うことです。

  1. カイドウの花(花粉)を筆や綿棒で取ります。
  2. 姫リンゴの花の真ん中(雌しべ)に、チョンチョンと優しくつけます。
  3. これを咲いている花すべてに行います。

このひと手間をかけるだけで、秋の実なり率は劇的にアップします。

育て方の基本:水と太陽がエネルギー

実を作るには、莫大なエネルギーが必要です。 そのため、姫リンゴは松やモミジ以上に**「水」と「太陽」と「肥料」**を貪欲に求めます。

置き場所

一年中、日当たりの良い屋外が基本です。 日光不足になると、花が咲かなかったり、せっかくついた実が落ちたり(生理落果)、実の色づきが悪くなったりします。 とにかく太陽に当ててください。

水やり:絶対に乾かさない!

実物盆栽にとって、水切れは致命傷です。 実がついている時期に水が切れると、木は「自分の命が危ない!実なんて育てている場合じゃない!」と判断し、自ら実を落としてしまいます。

  • 春・秋: 1日1〜2回
  • 夏: 1日3回(朝・昼・夕)。腰水(こしみず)といって、鉢の下に水を張った受け皿を置くのも有効です。
  • 冬: 2〜3日に1回

肥料

実を太らせるために肥料は欠かせません。

  • 春(花後): 実を大きくするための肥料。
  • 秋(9月頃): 来年のための「お礼肥」。 リン酸分の多い肥料(骨粉入りなど)を与えると、実つきが良くなります。

重要な作業:摘果(てきか)

受粉に成功すると、たくさんの小さな青い実がつきます。 「わあ、全部赤くなるのが楽しみ!」と思いがちですが、ここで心を鬼にして「実を減らす」作業が必要です。これを「摘果(てきか)」と言います。

【なぜ減らすの?】

  1. 木が弱る: 実を全部育てようとすると養分を使い果たし、翌年花が咲かなくなったり、最悪の場合は木が枯れてしまいます(なり疲れ)。
  2. 実が小さくなる: 数が多いと栄養が分散し、一つ一つの実が小さく貧弱になります。

【やり方】 5月〜6月頃、実が小豆くらいの大きさになったら、ハサミで切り落とします。 目安は「一束(ひと房)につき1個」、あるいは「枝2〜3本につき実1個」くらいまで減らします。 形が綺麗なものや、傷がないものを残し、他はすべて落とします。

害虫対策:アブラムシに注意

姫リンゴはバラ科なので、虫たちも大好きです。 特に春先、新芽や花に「アブラムシ」がつきやすいです。 見つけ次第、殺虫スプレーで駆除するか、歯ブラシなどで払い落としてください。放っておくとウイルス病を媒介することがあります。

まとめ:秋の宝石を収穫しよう

春の花見、夏の新緑と青い実、そして秋の真っ赤な宝石。 姫リンゴは、一年を通して私たちを飽きさせません。

手をかけた分だけ、秋に真っ赤な実がなった時の感動はひとしおです。 その愛らしい姿は、リビングに飾れば最高のアートになります(※鑑賞後はまた外に出してあげてくださいね)。 まずは「姫リンゴ」と「カイドウ」。このカップルを迎えるところから、実物盆栽ライフを始めてみませんか?

コメント

タイトルとURLをコピーしました