3月に入り暖かくなってくると、休眠から目覚めた盆栽たちが一斉に動き出します。
黒松や五葉松といった松柏(しょうはく)盆栽を育てている方は、枝の先端をよーく観察してみてください。 ツクシやアスパラガスのような、緑色のロウソクみたいな新芽がニョキニョキと伸び始めていませんか?
実はこれ、松の盆栽づくりにおいて絶対に避けては通れない春の重要イベント、「ミドリ摘み」のサインなんです!今回は、初心者に向けて春の予習をしていきましょう。
ロウソクのような新芽、その名も「ミドリ」
松の枝先から上に向かって勢いよく伸びてくるこの新芽のことを、盆栽用語で「ミドリ」と呼びます。 冬の間じっとエネルギーを蓄えていた松が、「春が来たぞー!枝を伸ばすぞー!」と全力で成長を始めている証拠であり、木がとても元気なサインです。
なぜ「ミドリ」を摘まないといけないの?
「元気なら、そのまま伸ばしてあげればいいんじゃないの?」と思うかもしれませんが、盆栽においてはこれがNG行動になります。
ミドリを放置すると、そのままビヨンと間延びした長い枝になってしまい、せっかくのコンパクトで美しい樹形が崩壊してしまいます。 また、松は「一番上(先端)のミドリ」ばかりを優先して伸ばす性質があるため、下の方の弱い枝に栄養がいかず、枯れてしまう原因にもなります。
これを防ぎ、枝の長さを短く揃え、木全体のエネルギーバランスを均等にするための作業が「ミドリ摘み(伸びすぎたミドリを折って短くする作業)」なのです。
3月は「観察」の時期!まだ摘まないで!
「なるほど!じゃあ今すぐそのミドリを折ればいいんだね!」……ちょっと待ってください! 3月の時点では、まだミドリ摘みは行いません。今はまだミドリが膨らみ始めたばかりの「観察」の時期です。
【3月にやっておくべき準備】
- どの枝のミドリが一番勢いよく伸びているか?
- 弱いミドリはどこにあるか? 木全体のパワーバランスをじっくり観察しておきましょう。
まとめ:本番は4月〜5月!

実際にミドリを指でポキッと折る「ミドリ摘み」の本番は、ミドリがしっかり伸びきって、「松の葉の赤ちゃん(針のようなもの)」が開き始める直前(地域によりますが、大体4月中旬〜5月頃)に行います。
今はたっぷりと春の日差しに当てて、水と肥料(植え替えしていない木の場合)を与え、松のエネルギーを最大限に高めてあげてください。 次回は、いよいよ本番の「ミドリ摘みの具体的なやり方・折る長さのコツ」を写真付きで解説しますので、お楽しみに!



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